ナノデバイス開発グループ

Nano Device Development Group(NDDG)




メンバー紹介

○客員助教授 島本直伸
●M1 加賀崎 俊之
●M1 原田 貴文


主な研究活動場所

早稲田大学 ナノテクノロジーリサーチセンター(NTRC) 

〒162-0051
東京都新宿区早稲田鶴巻町513早稲田大学研究開発センター 120-5号館

研究目的

●シリコンウェハの微細加工技術応用による新デバイス作製

我々の目的はSiウェハをナノスケールで加工する技術を用いることで新現象の発見し、その現象を技術応用することによって新しいデバイスの開発をすることです。例えば、半導体加工技術と電気化学を組み合わせることで、マスクを使って記録メディアを作るという常識を破ろうという試みがあります。このように我々は既存の技術、知識にとらわれず、「当たり前」を疑うことで研究に取り組んでおります。


研究内容

(i) 電気化学特性の不純物濃度依存性

・概要

現在、連続薄膜磁気記録に代わる次世代磁気記録媒体として、磁性金属をパターン配列させたパターンドメディアが注目されています。その作製プロセスには乾式、湿式プロセスとありますが、両方とも、従来のマスクを利用しての薄膜加工によるものです。 我々はシリコン基板の不純物濃度を変化させることで電気化学特性を局所的に変化させることで、マスクレスでの磁性金属パターン配列構造を作製する研究をしています。

磁性ドットの作製プロセス

@ まずシリコン基板にイオン注入方によりドーピングを行います。図の黄色で示した領域は不純物濃度が変化し、電気化学特性が変化していると予想されます。
A 次にこの基板でめっきをすると、不純物濃度に応じて磁性金属の堆積量が変化し、磁性金属のパターン配列ができます。


・最近の研究成果

電流密度の不純物濃度依存性 


磁性金属配列



本研究では、シリコン基板中の不純物濃度の変化に対して、めっき浴中での電気化学特性の変化をみるため、CV測定を利用しています。不純物濃度による電流密度の変化、測定領域のサイズの変化による電流密度の変化を見たところ、以下のような結果が得られました。

 @ シリコン基板中の不純物濃度の変化に対してNiの析出電流特性が極値を持つことを見出すことができた。
 A 同じ不純物濃度において測定領域が狭くなるにつれて電流密度が増加した。
 B 測定領域が狭くなっても不純物濃度の変化に対してNiの析出電流特性が極値を持つことは確認できた。

上記の測定結果を元に、低濃度の不純物濃度の基板にイオン注入し、めっきを行いました。その結果上図のような500 μm間隔で100 μm四方の磁性金属を堆積させることに成功しました。Niの堆積量はCV測定の結果得られた電流密度と同様に不純物濃度の変化に対して極値を持つ結果が得られました。 その後さらに、25 μm間隔でドットサイズがおよそ5 μm四方まで縮めることに成功しています。


・最近の行っている研究

今までの結果ではマイクロメートルという巨視的なサイズでしたが、テラビットという密度を目標としているため、100 nm程度のドットの作製を行っています。しかし、現在のようにNiのみでメモリなどの応用は難しいため、今後はFe、Coなどの磁性金属や合金などによる選択めっきを成功させ、応用範囲の拡大を考えています。



(ii) パターン基板上へのポリスチレン微粒子の選択堆積

・概要

有機材料は、化学修飾を行うなどの処理が容易なため、無機材料と複合化することにより、化学的機能デバイスとしての応用が期待できます。しかし、無機材料基板上に微小な有機材料を効率よく、かつ選択的に配列固定する方法は、通常の半導体などの微細加工技術では達成できません。我々は半導体微細加工プロセスと物理化学的な自己組織化プロセスを組み合わせることにより、有機微粒子を配列固定する技術を作り上げました。具体的には、Si基板上に成膜、リソグラフィー、エッチングにより微細構造を作製し、その基板をポリスチレン微粒子分散液に浸漬・引き上げを行うことにより制御性のよい配列固定を実現しています。

ナノドットを埋めるポリスチレン

・最近の研究成果

堆積率の接触角依存性

ポリスチレン堆積



本研究によるポリスチレン微粒子の配列固定方法は、分散液と基板の界面で起こる反応を利用しています。基板表面の濡れ性を変化させて、微粒子の配列固定割合を調べた所、折衝角の小さい親水性の基板上では、配列固定が実現されていますが、疎水かすると微粒子がほとんど固定されません。また、本手法では堆積率が急激に変化する接触角(臨界接触角)が存在することを見出しました。これは、本手法における微粒子配列固定の重要な指標になると考えています。


・最近の行っている研究

現在は100 nmから1 μmまでのサイズの微粒子を制御固定することが実現できました。今後はタンパク質等の微小なサイズ音高分子または、細胞スケールの比較的大きな粒子の固定技術の開発を行っていく予定です。



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